冬が旬の根菜について~潰瘍性大腸炎・クローン病(IBD)、過敏性腸症候群(IBS)の方向け~

監修者:宮﨑 拓郎(米国登録栄養士)
執筆者:福多 小夏(管理栄養士)

新年あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりましたm(__)m
みなさまからいただいた『他の方のレシピもすごく参考になり、脂質やコメントなども分かりやすく、大活躍しています』、『お腹に優しいレシピサイトは今までにない画期的なものだと思います』などの優しいお言葉を励みに、本年もみなさまにとってお役に立てる情報を発信していければと思っております。
2024年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

カイ君
潰瘍性大腸炎

この頃、旬の野菜を意識して食べるようになったんです。冬が旬の野菜について教えてほしいです。

管理栄養士
なっちゃん

カイ君、とても素敵な心がけですね。
旬の野菜には栄養が豊富に含まれていることや旬でない時期に比べると安く買えるという利点があるのです。
今日は野菜の中でも根菜についてお伝えしようと思います。

そもそも根菜とは

日本標準商品分類(平成2年6月改訂、総務省)による野菜の区分は

  1. 根菜類:だいこん、にんじん、ごぼう、馬鈴、等
  2. 葉茎菜類:はくさい、キャベツ、ねぎ、たまねぎ、等
  3. 果菜類:きゅうり、かぼちゃ、トマト、なす、等

に区分されています。一般的には「根や地下茎を食用とする野菜」のことです。(広辞苑より)

管理栄養士
なっちゃん

ネギや玉ねぎは土の中で育ちますが、根菜類ではなく、キャベツやレタスと同じ仲間の葉茎菜類に分類されるんですね。

分類名食材名
根菜類大根、人参、かぶ、里芋、ごぼう、れんこん、やまのいも、じゃがいも、など
葉茎菜類白菜、キャベツ、ほうれん草、レタス、ネギ、玉ねぎ、小松菜、ブロッコリー、にら、にんにく、など
果菜類きゅうり、トマト、なす、ピーマン、かぼちゃ、そら豆、枝豆、など

参考:農林水産省

旬の根菜に含まれる栄養素

冬が旬の根菜は、「大根、人参、れんこん、ごぼう、じゃがいも、長芋、かぶ」が挙げられます。
各根菜に含まれる栄養素を細かく見ていきましょう。それぞれ100g当たりで計算しています

参考:日本食品標準成分表八訂

根菜類の栄養素の特徴は、葉物野菜と比べて炭水化物が多く含まれていることです。野菜には全般的に脂質やたんぱく質はほとんど含まれていません。
注意が必要なのは、ごぼうは食物繊維が豊富に含まれているため、潰瘍性大腸炎で調子が悪い時やクローン病で狭窄がある場合です。ごぼうの摂取は控えるようにしましょう。

また、レンコンは食べ過ぎると高FODMAP食になる食品です。これらの食品を食べ過ぎるとお腹への影響がみられる方は食べ過ぎに注意しましょう。
ごぼうに含まれるイヌリンの含有量は可食部の5~9%*1 です。イヌリンは過敏性腸症候群(IBS)の方はガス関連症状を悪化させる可能性があり*2 注意が必要です。

根菜を使ったおすすめレシピのご紹介~グッテレシピから~

管理栄養士
なっちゃん

大根と人参だけでなく、玉ねぎ、かぼちゃ、高野豆腐も入った煮物です。

管理栄養士
なっちゃん

じゃがいもをたっぷり使ったレシピです。IBDの方は合いびき肉を鶏むね挽肉に代えてもOKです。

おわりに

おでんがおいしい季節になりました。旬の大根をたっぷり使って堪能できそうです。じゃがいもや人参はシチューや煮物に大活躍できそうですし、かぶを使ったスープなどもよさそうですね。旬の根菜を使って、新しいレシピにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

管理栄養士
なっちゃん

グッテコラムでは『こんなことを特集してほしい!』というテーマを募集しています。何かご希望のある方はご連絡いただけると嬉しいです。

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監修者

宮﨑 拓郎
米国登録栄養士|公衆衛士学修士

Academy of Nutrition and Dietetics (米国栄養士会)所属 Registered Dietitian (登録栄養士)。ミシガン大学日本研究センター連携研究員。アメリカミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学病院消化器内科で臨床試験コーディネーターとして低FODMAP食の研究等に従事。帰国後コロンビア大学監修クリニックなどで保険適応外栄養プログラム立ち上げ、食事指導などに従事。講談社より「潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養」などを共著にて出版。ニュートリションケアなど管理栄養士向けの執筆多数。

執筆者

福多 小夏
管理栄養士  

元病院管理栄養士。急性期病院に勤務し入院患者さんの栄養管理や主に生活習慣病患者さんへの栄養指導に従事し1人体制の栄養科で病院内を毎日駆け回る。子供の妊娠を経て夫の海外赴任のタイミングで病院を退職し子育てを経てグッテでの勤務を開始。親しみやすく、寄り添えるような管理栄養士になれるよう努めていきたいです。中学生と小学生の子どもを持ち、フレンチブルドッグをこよなく愛する2児の母です。

参考文献
  1. 広前大学教育学部紀要 第69号:131~135(1993年3月)
  2. https://www.monashfodmap.com/blog/fibre-supplements-ibs/