病気や食事制限中の子どもがいる方必見!給食orお弁当?~ 潰瘍性大腸炎・クローン病(IBD)/過敏性腸症候群(IBS)/食物アレルギー等の方向け ~

監修者:宮﨑 拓郎(米国登録栄養士)
執筆者:井本 かおり(管理栄養士)
管理栄養士
かおりさん

3月に入りましたが、新入学、新年度の準備は始められていますか?

華美さん
IBS混合型

新入学の準備で質問があります。
食事を制限されてるお子さんは給食についてどう対応していただいていますか?

潰瘍性大腸炎・クローン病(IBD)や過敏性腸症候群(IBS)や食物アレルギー、その他疾患をお持ちのお子さんについては新年度の給食に向けての準備を始める時期になります。
今回は潰瘍性大腸炎・クローン病患者のためのコミュニティ である、Gコミュニティでいただいたご質問内容を元に、幼稚園や保育園、こども園や小・中学校へ給食について相談する際に必要な知識、お弁当にするか給食を選ぶかのPOINTについてご紹介します。

学校や園での一般的な個別対応の流れは?

学校や園では食物アレルギー児に対する対応方法が確立されているため、その他の疾患を持った子どもについては食物アレルギー対応に準じた対応になる事が多いです。
対応方法については学校や園によって異なるため、前もって確認することが重要です。

過去のコラムでは、学校や園での疾患やアレルギーを持つ児童に対する給食について掲載しています。こちらも合わせてご覧ください。

給食との付き合い方 潰瘍性大腸炎/クローン病/過敏性腸症候群患者さん向け ~お子さんが通う、学校や園の対応方法を知ろう~

監修者:宮﨑 拓郎(米国登録栄養士)執筆者:井本 かおり(管理栄養士) お子様が潰瘍性大腸炎/クローン病(IBD)や過敏性腸症候群(IBS)を抱えている時に、給食とどのよう…

華美さん
IBS混合型

まずは何から始めれば良いでしょうか

管理栄養士
かおりさん

まずは学校や園での対応方法を確認していきます。どんな内容を確認したらよいかこれからご紹介していきます。

実際に学校・園での対応方法を確認しましょう

  • 学校や園、教育委員会など給食での給食除去に関する対応方法を確認しましょう。
  • 学校や園では食べられない食品のみを除去する事が基本で、栄養価の調整が難しい場合が多いです。
  • 食品の除去については、疾患に合わせた個別対応は誤食事故防止など安全性を最優先に過度に複雑な対応は行わない。ことが大原則としてあります。
  • 他の個別対応が必要な子どもと統一の献立になる事が多く、除去を希望する食物以外も除去する場合があります。
  • 対応が必要な食物が多岐にわたる場合は対応できない場合があります。
  • 除去以外にも、おかずを半分など食べる量の調整についても対応できるか必要に応じて確認をしましょう。
  • 献立表や代替食メニュー表を事前に確認します。
  • 対応申請に必要な提出書類を確認しておきましょう。
管理栄養士
かおりさん

園や学校での対応方法について分からないことは遠慮なくどんどん質問してくださいね。

華美さん
IBS混合型

園や学校での対応方法について分かったら次に何を準備すると良いですか?

管理栄養士
かおりさん

お子さんについて普段の食事の様子などを主治医にご相談の上、園・学校と話し合っていきましょう。

お子さんの食事について主治医や園・学校に相談しましょう

  • 事前に主治医に相談しましょう。
  • 学校や園で必要な診断書など提出書類も準備します。
  • 学校で入学前に打ち合わせをします。
    疾患の説明、どのような時に症状が出るか、普段食べている食事内容や制限ない内容、などを具体的に説明します。
  • 学校・園と話あった結果、給食では対応が難しい場合はお弁当についても相談します。その場合は学校・園での保管方法も確認をします。

お弁当か給食かどちらを選ぶ?

給食お弁当かどっちを選べば良いか悩まれる方も多いのではないでしょうか。
下記のような状況の場合は園や学校と相談の結果、お弁当を選択することが多いです。

  • 対応が必要な食物が多岐にわたる場合
  • 厳格な栄養価の調整が必要な場合
  • 調理方法から個別対応が必要な場合

お弁当か給食かの選択は、上記に述べた個々の状況だけでなく、学校・園側の施設の状況によりお弁当となる場合もあります。

お弁当対応については、毎日持っていく場合【完全弁当対応】と、食べられない献立のみ家庭からお弁当を持っていく場合【一部弁当対応】があります。
一部弁当対応】の場合は、どの献立でお弁当を持っていくかを学校や園と綿密に打ち合わせをします。

華美さん
IBS混合型

自分の子どもだけ違う食事になることに抵抗があるのですが・・・・

異なる給食(お弁当)で戸惑うお子さんへのサポート方法について

給食、お弁当どちらを選ぶ場合でも、周りのお子さんと違う給食(お弁当)でお子さんが戸惑う事があるかと思います。
まずは、お弁当や対応食はお子さんにとって必要な選択であることをご家庭で話し合ってみてください。
また、その都度、担任の先生にご相談してくださいね。
食器だけ借りる、おかずをよく似たものにする、先生からクラスのお友達に説明をしてもらうなど、先生から適切なサポートがいただけると思います。

華美さん
IBS混合型

お弁当を作る事になると、レシピのレパートリーが少なくて慣れるまで大変そうです💦

管理栄養士
かおりさん

グッテレシピにはお弁当にピッタリのレシピもたくさんあるのでぜひ活用してください。

グッテレシピでお弁当レシピを探す方法

グッテレシピではジャンル検索でお弁当や作りおきにピッタリのレシピを検索することが出来ます。
体調に合わせて選ぶことが出来ます。ぜひ一度検索をしてみてください。

⬇︎

まとめ

お弁当か個別対応給食どちらを選んでも園や学校ではお子さんの不利にならないような対応方法を具体的に考えていただけます。もし、困ったことや分からないことがあれば担任、学校栄養教諭、栄養士等にどんどんご相談して下さい。

遷移後少ししてからメルマガ登録のポップアップが表示されます。
監修者

宮﨑 拓郎
米国登録栄養士|公衆衛士学修士

Academy of Nutrition and Dietetics (米国栄養士会)所属 Registered Dietitian (登録栄養士)。ミシガン大学日本研究センター連携研究員。アメリカミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学病院消化器内科で臨床試験コーディネーターとして低FODMAP食の研究等に従事。帰国後コロンビア大学監修クリニックなどで保険適応外栄養プログラム立ち上げ、食事指導などに従事。講談社より「潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養」などを共著にて出版。ニュートリションケアなど管理栄養士向けの執筆多数。

執筆者

井本かおり
管理栄養士|日本栄養士会食
物アレルギー分野管理栄養士

管理栄養士として、病院、行政(学校給食)、こども園で主に献立作成、栄養指導、食育などに従事。家では過敏性腸症候群(IBS)の息子と一緒に低FODMAP食事療法を実践中。忙しい時にでも簡単においしく出来るレシピが得意です。