執筆者:井本 かおり(管理栄養士)
夏休みの休暇では久しぶりの友人との会食を予定されている方もいるのではないでしょうか。
友人との予定を立てる中で、食事の事が気になる方もいるかと思います。
この記事では、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)、過敏性腸症候群(IBS)といった疾患による食事制限がある方が外食を楽しむためのお店の選び方などのコツをお伝えします。
お友達と外食に行く約束をしました!
出来るだけ食事の事を気にせずに楽しみたいです。
メニューを選ぶポイントはありますか?
大きなポイントは “事前に準備をすること” です。
外食をする時のポイントをまとめていきますね。
外食をする時のポイント
まずは、自宅での食事スタイルに近い料理を提供しているお店を探しましょう。
01
webサイトなどで事前にメニューの確認をする
出かける前に事前に外食したいお店のwebサイトで原材料の量や栄養価など分かる範囲の情報を集め、制限に合わせた選択肢を見つけましょう。
webサイトだけでは情報が分からない場合は事前に電話やメールで確認をすると、よりたくさんの情報を得ることが出来ます。その場合、回答をいただくまでに時間が必要な場合もあるので、早めに確認をするようにします。
02
低脂質や特定食品の除去などの個別対応が可能か確認する
"レストランに自分の食事内容について伝える"
- 事前にお店に電話やメールで問い合わせをすることで、低脂質のメニューや特定の食品の除去、代替品の提供に対応しているかを尋ねることができます。
直接お店の方とお話をすることで、より理解や協力を得る事ができるかもしれません。 - SNSや口コミサイトで確認する方法もあります。
体験談やレビューを読むことで、お店の方の対応を知ることができます。特に、同じような食事制限を持つ方の意見は参考になります。
しかし、これらの情報は鵜吞みにはせず、最終的にはお店に直接確認を取ることが必要です。
03
事前にお店を決めない場合は…
"お気に入りの外食チェーン店を決めておく"
- 自分の行動範囲に合った外食チェーン店をいくつか事前にリサーチして、いつでも安心できるお店や食べられるメニューを把握します。
もし予定にない外食となった時には迷わずお店を選ぶことができます。 - 牛乳を豆乳やアーモンドミルクに変更するなどのカスタマイズが可能なコーヒーチェーン店もあります。
ファーストフード店ではトッピングの除去が可能な場合があります。
それぞれ、自分の体調に合うカスタマイズが可能かを確認します。
1. 食堂形式
主菜、副菜を自分の好みに合わせて選べる食堂形式のお店は、自分の制限に合わせた、栄養バランスのとれた食事ができる傾向になります。
2. バイキング形式
自分の体調に合わせてメニューや量を決める事が可能です。
バイキング形式は量の制限がないため、食べ過ぎてしまう可能性があります。
1食分はお皿1枚に入る量など、先に1食分の量を決めておくことで食べ過ぎを防ぎお腹の負担が減ります。
3. フードコート
たくさんのお店の中から自分の体調や好みに合ったお店を選ぶことができ、友人や家族など一緒に食べる人に気兼ねなく自分の食べられるものを選ぶことが可能です。
4. 回転寿司
IBD、IBSのどちらの方にも人気が高い外食店です。
寿司のネタだけでなく、サイドメニューも豊富にあり、体調に合わせて選ぶことが出来ます。
以前のコラムではコンビニ食についてもお話しています。
コンビニ選びの参考にしてくださいね。
最後に
今回の特集は、外食をする際のポイントについて、私自身や他の患者の方々の体験をまとめました。
我が家ではIBSで体調を崩してからは外食が不安でしたが、お気に入りの店やメニューが増える事がきっかけになり、少しずつ行動範囲が広がりました。
この記事がみなさまの外食選びのきっかけになればと思います。
みなさんのお気に入りのお店もぜひSNSで教えてくださいね♪
監修者
宮﨑 拓郎
米国登録栄養士|公衆衛士学修士
Academy of Nutrition and Dietetics (米国栄養士会)所属 Registered Dietitian (登録栄養士)。ミシガン大学日本研究センター連携研究員。アメリカミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学病院消化器内科で臨床試験コーディネーターとして低FODMAP食の研究等に従事。帰国後コロンビア大学監修クリニックなどで保険適応外栄養プログラム立ち上げ、食事指導などに従事。講談社より「潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養」などを共著にて出版。ニュートリションケアなど管理栄養士向けの執筆多数。
執筆者
井本かおり
管理栄養士|日本栄養士会食
物アレルギー分野管理栄養士
管理栄養士として、病院、行政(学校給食)、こども園で主に献立作成、栄養指導、食育などに従事。家では過敏性腸症候群(IBS)の息子と一緒に低FODMAP食事療法を実践中。忙しい時にでも簡単においしく出来るレシピが得意です。