
執筆者:ヤナさん(IBS当事者)
こんにちは!グッテ管理栄養士のKaoriです。
「低FODMAPスパイス活用」シリーズ第3回!
今回もヤナさんに、スパイスを上手に使うコツを教えていただきます。
香りの立たせ方や調理方法によって、スパイスの印象はがらりと変わります。
いつもの料理をちょっと格上げする調理テクニックを、ぜひ楽しんでみてください。
こんにちは、ヤナです!
今回は、スパイスの調理方法とレシピへの活用の仕方についてお話しします。 スパイスは加熱することで香りが引き立ちますが、その立ち方や風味の広がり方は調理方法によってさまざま。
それぞれの使い方のコツを、ぜひ日々の料理に役立ててみてください。
↑詳しくは画像をクリック
ホールスパイスを使う場合
①乾煎りをする
加熱をすると閉じ込められていた香りがふわっと立ち上がります。
(ゴマを炒ったときのイメージです。)
【手順】
1.フライパンにスパイスを入れ弱火で火にかけます。
2.焦げやすいので揺するかヘラなどで混ぜます。
3.パチパチ音が出たり香ばしい香りが立ち、うっすら色づいたら火からおろし粗熱を取ります。
クミンシードを使ったレシピ
低FODMAPポイント:
クミンシードは低FODMAPの食品です。
辛みはなく、爽やかなカレーのような香りが特徴で、料理に深みを加えてくれます。
ごはんに加えると、ほんのりと香りが立ち、食欲をそそります。
②油に香りを移す(テンパリング)
味や色味として使う事もあれば、ちょっと物足りない時や仕上げで追加したりと幅広く使えます。粉末状のため扱いやすい分、熱を加えすぎたり開封後の経過で香りが飛びやすいのも特徴です。
【手順 】
1.小鍋かフライパンを使い、油を弱火で温めてからスパイスを入れます。
2.強火だとすぐ焦げてしまうためじっくりスパイスに香りを移します。
3.鍋を少し傾けると、油がスパイス全体に行き渡りやすくなります。
4.パチパチ音が出たり香ばしい香りが立ち、うっすら色づいたら火を消すか料理の具材を入れて炒めます。
マスターシードを使ったレシピ
低FODMAPポイント:
マスタードシードは低FODMAPのスパイスです。
このレシピで使用している小松菜は、現時点ではFODMAPの検査が行われていません。
テストされていない食材を避けたい方は、低FODMAPと確認されているチンゲン菜で代用してもおいしく召し上がれます。

IBSガス型
テンパリングは、覚えるというより「慣れる」もの。
肩の力を抜いて、楽しみながら続けてみてください。
ヒント:
テンパリングはスパイスによって火加減や投入タイミングが異なります。例えば、マスタードシードは油が十分に温まってから入れないと弾けず苦味が出ることがあります。一方、焦げやすいフェヌグリークは弱火でじっくり香りを引き出すのが向いています。
私の場合は冷たい油から入れて火にかけることも多く、スパイスの弾ける音や香り、色の変化など五感で感じながら調整しています。正解はなく、自分の感覚を頼りに「今日はこのくらいでいいかな」と判断するのも醍醐味です。
パウダースパイスを使う場合
③煮る
長時間煮ると香りが飛びやすいため、香りづけよりかは味や色付けを目的とした使い方になります。
【手順 】
あらかじめ何種類かを混ぜ合わせたパウダースパイスを、鍋やフライパンの中に入れダマにならないように混ぜます。
~お皿に残ったスパイスの粉をきれいにとる方法~
あらかじめ混ぜ合わせたパウダースパイスに、料理で使う分量分の塩(またはそれ以下)を入れてよくまぜるとパウダーがお皿にあまり残りません。塩辛くならないように少なめにしておくと味付けの調節がしやすいです。
④軽く炒める
炒め物の仕上げや多少水分があるような料理にさっと混ぜ合わせ、仕上げの香りとして使う。少し物足りないなと思ったときに使うのもOK !
オールスパイスを使ったレシピ
低FODMAPポイント:
オールスパイスは低FODMAPの食品です。
シナモンやクローブ、ナツメグに似たふくよかな甘い香りがじゃがいもの味を引き立て、味が単調になりやすい低FODMAP食もスパイスで風味が広がります。
まとめ
ホールスパイスの扱いには少しコツがいりますが、慣れてくると香り豊かな料理が簡単に作れます。
スパイスの香りや風味は、料理に奥行きを与え、塩分を控えてもおいしく感じさせてくれます。香りを楽しむことで、自然と減塩につながるのも嬉しいポイントです。
まずは焦がさないよう火加減に気をつけながら、楽しんでみてくださいね。

かおりさん
3回にわたって、ヤナさんにスパイスの楽しみ方を教えていただきありがとうございました!
今回のコラムを通して、私自身もさまざまなスパイスを試しながら楽しんでいます。
また、いろいろなスパイスの使い方を教えてくださいね。
グッテレシピからのお知らせ
グッテレシピでは引き続きご提供していただけるレシピを募集しています。いつもご家庭で作っているレシピ、イベント時のレシピなどぜひご提供ください。細かな量が分からない、作り方を書くことが難しい場合はグッテ管理栄養士でフォローする事も可能です。
下記のフォームもしくは、SNSのDMにてご連絡ください。ご提供お待ちしています。
⬇︎
監修者

井本かおり
管理栄養士|日本栄養士会食
物アレルギー分野管理栄養士
管理栄養士として、病院、行政(学校給食)、こども園で主に献立作成、栄養指導、食育などに従事。家では過敏性腸症候群(IBS)の息子と一緒に低FODMAP食事療法を実践中。忙しい時にでも簡単においしく出来るレシピが得意です。
執筆者

ヤナさん
会社員
社会人2年目からIBS(ガス型)とSIBOの症状に悩まされ、低FODMAP食歴は今年で7年(最近はゆるめ)。
食事のたびに体調を崩す日々から、思いきって食事を見直したのが始まり。
スパイスから得た工夫や発見を、「たのしく」「安心」「おいしい」食卓のヒントとしてシェアしていきます。

