潰瘍性大腸炎・クローン病(IBD)、過敏性腸症候群(IBS)の方向け〜年末年始の食べ過ぎを防ぐ工夫〜

監修者:宮﨑 拓郎(米国登録栄養士)
執筆者:井本 かおり(管理栄養士)
管理栄養士
かおりさん

もうすぐ、クリスマス!
みなさん、年末年始の予定は決まっていますか?

華美さん
IBS混合型

我が家は毎年実家に帰省します。
帰省をするとたくさん食べ過ぎてお腹の調子を崩してしまいます。

クリスマスや忘年会、お正月など、イベント続きの年末年始はついつい食べすぎや飲みすぎになり、いつもの食事ペースが崩れる方も多いと思います。
今回のコラムではお腹に負担がかかる原因の1つである「食べ過ぎを防ぐ」ポイントをまとめました。

食べ過ぎを防ぐには

✔︎「だらだら食べ」をしない

目の前や手の届くところに食べ物があると、ついついだらだらと食べてしまいがちです。
間食やみかんなどがテーブルに置きっぱなしにならないようにし、食事の終わりを決めて、だらだら感にストップをかけましょう
間食は1回に食べる分だけお皿にのせると食べ過ぎを防ぐことが出来ます

✔︎ 食事の回数を崩さない

年末年始は旅行や帰省などで外出する機会が多く、滞在地の食事を楽しみたいと食事の回数が増える傾向にあります。回数はできるだけ増やさないようにし、回数が増えるときは1食分の量を減らす事で1日の量を調整しましょう

✔︎ 1食分量をコントロール

おせち料理やビュッフェ形式、鍋料理など、一人分が明確でない場合、自分がどれだけ食べたか把握しにくく、つい多く食べ過ぎることがあります。
お皿に盛る際は、普段の食事の量を超えないように意識し、盛り付けます。
おせち料理は重箱ではなく、一人分ずつ和食器に料亭のように少量を盛り付けると雰囲気も素敵になり量も把握できます。

✔︎ しっかりと噛んで食べる

咀嚼をしっかりとすることで唾液の分泌を促して消化が良くなることが知られています。
また、しっかり噛んで食べ、咀嚼の回数が増える事で満腹中枢が刺激され、さらなる食べ過ぎも防げます。年末年始だけでなく日頃からしっかりとよく噛んで食べる習慣をつけましょう

食べ過ぎた場合は

次の食事でリカバリー

食べ過ぎた場合は、次の食事は軽めの量にするなどして調節をしますが、断食など食事を抜く方法は内臓に負担がかかる事や体内時計がずれることからあまりお勧めしません。いつもと同じタイミングで消化によいものを中心に少量は摂るようにしましょう。

消化によいものを選ぶ

お腹の調子が戻るまでは、消化のよいものを選んで食べましょう
脂質の高いものや香辛料を多く使ったもの、味の濃いものは控え、できるだけ薄味で温かい食事を摂るようにします。
潰瘍性大腸炎、クローン病(IBD)や過敏性腸症候群(IBS)の方は個々のお腹に症状に合った食品だけを選ぶようにしましょう。

お勧めのレシピ紹介

グッテレシピに掲載している中からお腹を労わりたいときにお勧めのレシピをご紹介します。

人参スープ
by kana*さん

低脂質、乳不使用、のあたたかいスープです。

タラと根菜の雑炊
by  気まぐれ備忘録さん

ご飯(炭水化物)、タラ(たんぱく質)、野菜(ビタミン・ミネラル)が摂れる雑炊です。

まとめ

今回のコラムでは、お腹に負担をかける「食べ過ぎを防ぐ」ポイントをご紹介しました。食べる量や回数を意識して、適度な量を取り入れることを意識し、楽しい年末年始をお過ごしください。
次週以降のコラムではクリスマスやお正月の食事について掲載予定です。合わせて参考にしていただければと思います。

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監修者

宮﨑 拓郎
米国登録栄養士|公衆衛士学修士

Academy of Nutrition and Dietetics (米国栄養士会)所属 Registered Dietitian (登録栄養士)。ミシガン大学日本研究センター連携研究員。アメリカミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学病院消化器内科で臨床試験コーディネーターとして低FODMAP食の研究等に従事。帰国後コロンビア大学監修クリニックなどで保険適応外栄養プログラム立ち上げ、食事指導などに従事。講談社より「潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養」などを共著にて出版。ニュートリションケアなど管理栄養士向けの執筆多数。

執筆者

井本かおり
管理栄養士|日本栄養士会食
物アレルギー分野管理栄養士

管理栄養士として、病院、行政(学校給食)、こども園で主に献立作成、栄養指導、食育などに従事。家では過敏性腸症候群(IBS)の息子と一緒に低FODMAP食事療法を実践中。忙しい時にでも簡単においしく出来るレシピが得意です。