執筆者:井本 かおり(管理栄養士)
クリスマスパーティーや家族の団らんに欠かせない存在の「ケーキ」。
しかし、脂質を控えている方にとっては、脂質が高いケーキは気になるところではないでしょうか。今回のコラムでは、ケーキの特徴や脂質を低くするアイデアについてご紹介します。
ケーキは脂質が高いので普段は避けていますが、1年に一度のクリスマスはケーキを食べて楽しみたいです。
クリスマスのシーズンになると色々なケーキが登場し、この日だけは食べたいなと考えている方もいるのではないでしょうか?
今回のコラムでは脂質を抑えるアイデアについてもお伝えします。
ぜひ最後までお読みくださいね。
ケーキの特徴
栄養価の特徴としてはエネルギーや脂質、糖質が多く含まれています。
原材料には小麦粉、卵、バター、生クリーム、砂糖、などが使われています。
その中でも、バターや生クリームは脂質が特に多く含まれています。また鶏卵にも脂質が1個あたり6g程含まれています。
特に、パイ生地はバターを層になるように折りこむことで、サクサクした食感を生み出しています。そのため、バターの使用量が多くなります。
また、デコレーションケーキでは、生クリームを1ホールに400g近く使うことから、ショートケーキやチョコレートケーキも脂質が高くなっています。
チーズケーキはデコレーションがないことから脂質が低く見えますが、チーズも脂質が高いことから、チーズケーキは見た目以上に脂質の量が高くなっています。
ケーキのエネルギーと脂質量
ケーキ・スイーツを脂質が少ない順に並べると下記の図1のようになります。
脂質量やエネルギーは販売するお店によって異なりますので参考程度にお使いください。
図1)ケーキ・スイーツ1切あたりの脂質量
ショートケーキの脂質の割合と脂質を控える方法
ショートケーキに使われている主な材料はスポンジケーキの材料である小麦粉、卵、バター、砂糖、そしてデコレーションに使われるクリームです。
下記の図2はショートケーキに使う材料と脂質の量を表した図です。
図2)ショートケーキの主な原材料と脂質の量
ショートケーキには脂質が多く含まれていますが、下の図3のようにそのほとんどが生クリーム由来の脂質です。そのため、脂質を控えたい場合はデコレーションに使うクリームの量をひかえることや、手作りをする場合は低脂質クリームを使うことで脂質を減らすことが可能です。
図3)ケーキに占める脂質の割合
低脂質でも満足感のあるケーキレシピ
グッテレシピの中から、低脂質のケーキをご紹介します。
ブルーベリーのカッテージチーズケーキ by てるさん
チーズのなかでも脂質が低いカッテージチーズと低脂肪ヨーグルトを使うことで低脂質のチーズケーキになっています♫ 脂質は1切あたり2.5gです。
かぼちゃとリンゴのカラメルケーキ by 87さん
スポンジ部分はホットケーキミックスとかぼちゃを使うことで油脂は不使用!クリームは低脂肪のクリームを使っています。脂質は1切あたり8.6gです。
みなさん色々と工夫されていて参考になりますね♪今回ご紹介したケーキ以外にもクリスマスに食べたいスイーツ・ケーキのレシピを過去のコラムでご紹介しています。
ケーキを食べる時に脂質を控えるコツ
低脂肪ヨーグルトやチーズでも脂質が低いリコッタチーズ、低脂質のホイップ、を使うなど原材料を脂質の低いものに置き換えることで脂質を控えたケーキを作ることは可能です。
また、市販のケーキを購入するときには、できるだけ脂質の量を確認して購入することや、召し上がる量やクリームは極力取り除くなど、量を控える方法で脂質を控えることも一案です。ケーキではなく、ゼリーやシャーベットなどに置き換えるといった方法もあります。
ケーキ屋さんに相談してみるのも良いかもね!
市販のスポンジケーキを使った脂質が低いケーキの作り方をご紹介します。簡単に作ることができるのでぜひ参考にして下さいね♫
脂質を抑えたデコレーションケーキ
【材料】
市販のスポンジケーキ 1つ
お好みのジャム 80g
低脂質クリーム 100ml
グラニュー糖 10g
【栄養価】15cmホール 1/6切れあたり
エネルギー 198kcal
たんぱく質 3.2g
脂質 9.0g
炭水化物 26.1g
【作り方】
1.クリームはグラニュー糖を入れてツノが立つまでしっかり立てます。
2.市販のスポンジケーキをスライスし(スライスしたものも売られています)、スポンジにジャムを塗り重ねます。
3.スポンジケーキを重ね終えたら、上から薄くスポンジが隠れる程度にクリームを塗り、飾りや果物をのせて完成。
※飾りにホイップをすることは控えます。
まとめ
今回はケーキの特徴から脂質を低くするアイデア、様々な低脂質ケーキのレシピをご紹介しました。
ご自身に応じた無理なく楽しめる工夫を取り入れることで、素敵なクリスマスをお過ごしくださいね♫
潰瘍性大腸炎・クローン病(IBD)の方でクリスマスのお食事について知りたい方は、過去の記事も合わせてご覧下さいね。
監修者
宮﨑 拓郎
米国登録栄養士|公衆衛士学修士
Academy of Nutrition and Dietetics (米国栄養士会)所属 Registered Dietitian (登録栄養士)。ミシガン大学日本研究センター連携研究員。アメリカミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学病院消化器内科で臨床試験コーディネーターとして低FODMAP食の研究等に従事。帰国後コロンビア大学監修クリニックなどで保険適応外栄養プログラム立ち上げ、食事指導などに従事。講談社より「潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養」などを共著にて出版。ニュートリションケアなど管理栄養士向けの執筆多数。
執筆者
井本かおり
管理栄養士|日本栄養士会食
物アレルギー分野管理栄養士
管理栄養士として、病院、行政(学校給食)、こども園で主に献立作成、栄養指導、食育などに従事。家では過敏性腸症候群(IBS)の息子と一緒に低FODMAP食事療法を実践中。忙しい時にでも簡単においしく出来るレシピが得意です。