牛乳を避けたい方必見!不足しがちな栄養素とおすすめの牛乳代替品(豆乳など)

監修者:宮﨑 拓郎(米国登録栄養士)
執筆者:井本 かおり(管理栄養士)

牛乳など乳製品は栄養価の高い食品ですが、食物アレルギーや乳糖不耐症、お腹や体調に影響が出やすいなど、さまざまな理由で乳製品を控えている場合には、いくつかの栄養素が不足することを考える必要があります。
この記事では、乳製品を控えたいと考えている方々が不足しがちな栄養素と対策、そして代替品となる商品を紹介します。

華美

牛乳がお腹に合わず、替わりになるミルクを探しています。色々なミルクが売っていますが、どれを選べば良いのでしょうか?

管理栄養士
かおりさん

豆乳やアーモンドミルクなど沢山の商品が出ていますね。ミルクの特徴を知って、華美さんに合うミルクを見つけてみましょう!


牛乳の代替品を見つけるのに必要な視点は?

代替の商品を探す時には、

  • 栄養素として必要な代替品
  • 調理面で必要な代替品

の2つの視点に分けて考える必要があります。

華美

なるほど!2つの視点に分けていくといいのですね。

管理栄養士
かおりさん

次からは2つの視点に分けたお勧めの代替品をご紹介します。

1.栄養素として必要な代替品

栄養素として必要な代替品を探すために、まずは牛乳に含まれる栄養素の中で主に含まれている栄養素を知りましょう。

牛乳に含まれる栄養素

牛乳は、三大栄養素のたんぱく質、脂質、炭水化物や、カルシウム、ビタミンB2など様々な栄養素がバランス良く含まれています。
下の図は牛乳に含まれる栄養素で主な栄養素を示したものです。
牛乳の代替品で意識をしたい栄養素はたんぱく質と日本人が不足しがちなカルシウムになります。

牛乳の栄養素 (100gあたり)

出典:日本食品標準成分表2020年度版(八訂)

牛乳に多い栄養素の主な役割と代替食品

牛乳に多い栄養素であるカルシウムとタンパク質の役割、そして代替食品については以下の通りです。

カルシウム

【役割】

カルシウムは人体に最も多いミネラルで体重の約2%を締めます。主に骨の構成物質となっています。また、筋肉の収縮や神経の刺激、血液の凝固などにも関わります。

【栄養面での代替食品】

強化カルシウム入り飲料。( アーモンドミルク、豆乳、オーツミルクなど)、
大豆製品、小魚(ししゃも、煮干し)、サバ缶、ゴマ、緑黄色野菜(小松菜、モロヘイヤ)など。
食品から摂取することが難しい場合はカルシウムのサプリメントも有効です。

タンパク質

【役割】

タンパク質は筋肉や臓器、酵素、ホルモンなどの体の重要な構成成分です。またエネルギー源として必要な栄養素です。

【栄養面での代替食品】

肉、魚、卵、豆乳、その他の大豆製品、など

管理栄養士
かおりさん

たんぱく質やカルシウムを意識した食品を選ぶと牛乳を摂取しない場合に不足しがちな栄養素が補えますよ!

2.調理面で必要な代替品

牛乳の替わりとして適しているミルクには以下の種類があります。
味や栄養価の特徴を踏まえて選ぶようにします。

豆乳

大豆から作られた豆乳は、たんぱく質やビタミン、ミネラルだけでなく大豆サポニン、イソフラボンが多く含まれているのが特徴です。カルシウムやビタミンDが強化されている商品も販売されており、牛乳の代替品として広く利用されています。

味は牛乳と比較してあっさりとしています。お菓子作りに使う場合は味の違いはあまり感じません。
豆乳を煮立たせたり、酸(コーヒー等)を加えると分離しやすいです。

低FODMAP(フォドマップ)食をされている方は、FODMAPが高いので注意が必要です。

アーモンドミルク

アーモンドミルクは主に水に浸したアーモンドをミキサーなどで細かく砕き漉した飲み物です。

植物性由来のミルクで低カロリーで脂質やたんぱく質が少なく、マグネシウムなどのミネラルが含まれているのが特徴です。また、カルシウムやビタミンE、食物繊維などが添加された商品も売られています。

メーカーにより製造方法が異なるため、味や栄養価に違いがあるので、目的や味で選ぶと良いでしょう。アーモンドミルクを煮立たせたり、酸(コーヒー等)を加えると分離しやすいです。

低FODMAP食をされている方は、アーモンドミルクは低FODMAPですがイヌリンが添加されている商品は高FODMAPになるため注意が必要です。

オーツミルク

オーツミルクは、オーツ麦から作られたミルクで、植物性由来のミルクでたんぱく質や脂質が少ないのが特徴です。カルシウムやビタミン、ミネラルが添加された商品も売られています。

くせがなく自然な甘みがあり飲むだけでなく調理へのアレンジも可能です。

低FODMAP食をされている方は、オーツミルクはコップ半分までは低FODMAP食の範囲です。飲みすぎないように注意が必要です。

ライスミルク

ライスミルクは、米を砕き米粉にしたものを水に浸して濾した飲み物です。米の澱粉部分を酵素で分解して製造されるものもあります。植物性由来のミルクでたんぱく質や脂質が低く炭水化物が多いのが特徴です。

あっさりとした味わいでくせがなく米由来の自然な甘味があります。

牛乳の替わりにお菓子作りや調理に使えますが、加熱をするととろみが出やすいです。

低FODMAP食をされている方はライスミルクは低FODMAP食の食品です。

管理栄養士
かおりさん

味や栄養素を比較して自分に合うミルクを選んでくださいね。

牛乳の代替品を使ったレシピ

グッテレシピから、牛乳の代替品を使ったレシピをご紹介します。グッテレシピには  乳製品(一部チーズ除)代替のレシピ というタグがあります。牛乳を控えたい方はこちらのタグもぜひご活用下さいね。

まとめ

今回は、牛乳を控える場合に代替にお勧めの食品やミルクをピックアップしました。自分のライフスタイルや体調に合った食品を選んでいただき、バランスの取れた食事を心がけましょう。

参照
  • 日本食品標準成分表2020年度版(八訂)
  • サービングサイズ栄養素量100 食品成分順位表(第一出版)
  • Monash University FODMAP Diet app
監修者

宮﨑 拓郎
米国登録栄養士|公衆衛士学修士

Academy of Nutrition and Dietetics (米国栄養士会)所属 Registered Dietitian (登録栄養士)。ミシガン大学日本研究センター連携研究員。アメリカミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学病院消化器内科で臨床試験コーディネーターとして低FODMAP食の研究等に従事。帰国後コロンビア大学監修クリニックなどで保険適応外栄養プログラム立ち上げ、食事指導などに従事。講談社より「潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養」などを共著にて出版。ニュートリションケアなど管理栄養士向けの執筆多数。

執筆者

井本かおり
管理栄養士|日本栄養士会食
物アレルギー分野管理栄養士

管理栄養士として、病院、行政(学校給食)、こども園で主に献立作成、栄養指導、食育などに従事。家では過敏性腸症候群(IBS)の息子と一緒に低FODMAP食事療法を実践中。忙しい時にでも簡単においしく出来るレシピが得意です。