執筆者:福多 小夏(管理栄養士)
グッテコラムでは以前から『こんなことを特集してほしい!』というテーマを募集していましたが、先日、初めて質問が寄せられました!
スタッフ一同、とても嬉しかったです。リクエストいただき、ありがとうございました。
では、早速質問をご紹介します。
『お粥が苦手な人向けの特集。結構周りでも聞くので。お粥に合わせるもの、海苔の佃煮やたいみそみたいなIBDで調子悪くても大丈夫なものが知りたいです。あと、雑炊だったら食べれる人もいますが、それは味があるからだけじゃなく、さらさらしてるからかもしれないです。私は水分多めでさらさらしてると、お粥だけでも食べれてたので。』
ふむふむ。体調が悪いときに食べられるお粥のお共、さらさらしていて食べやすいものですね。考えてみましょう!
お粥の種類
まずはお粥の種類からご説明します。ご存知の方も多いと思いますが、おさらいの気持ちでお付き合いください。
<その1>
調理方法の違いによって2種類に分類されます。
【炊き粥】・・・生米から多めの水で柔らかくなるまで煮たもの
【入れ粥】・・・炊いたご飯を水で柔らかく煮たもの
生米から煮た「炊き粥」は入れ粥に比べて粘りがあるのが特徴です。さらさらしている方がお好みの方は、炊いたご飯を煮た「おじや」や「雑炊」がおすすめです。
<その2>
水分量の違いによって「三分がゆ」「五分がゆ」「七分がゆ」「全粥」の4種類があります。
以下は煮るときのお米と水の割合の表です。お米の重量を1としたときの水の割合を示しています。
三分がゆ | 五分がゆ | 七分がゆ | 全粥 | |
---|---|---|---|---|
お米 | 1 | 1 | 1 | 1 |
水 | 20 | 10 | 7 | 5 |
例えば、全粥を作るときにはお米100gに対して水500mlで作ります。
七分がゆ、五分がゆ、三分がゆと数字が小さくなるにつれて、水分量は多くなっていきます。
ちなみに、お粥を煮たときにできる上澄みが「重湯(おもゆ)」です。病院に入院されたことがある方は、よくご存知だと思いますが、絶食明けの食事は「重湯」→「三分がゆ」→「五分がゆ」→「七分がゆ」→「全粥」と体調を見ながら進めていきます。
さらさらしているのがお好みの方は、水分量の多い、五分がゆや七分がゆにしてみるのはいかがでしょうか。その際は、全粥に比べて摂取エネルギーが減ってしまうため、同じ炭水化物であるイモ類(じゃがいもや里芋など)などで補うようにします。
お粥のお供
お粥だけだと味がなくて食べづらいと感じている方へ、体調が悪くても食べられるお粥のお供を紹介します。ふりかけを選ぶ際は、海苔やごまが含まれていないものにしましょう。
- 赤しそのふりかけ
- たいみそ
- 海苔の佃煮
- かつお節
- 練り梅
- だし塩
- しらすなど
世界のお粥
お粥は風邪を引いたときだけでなく飲みすぎたときなどにも、消化に負担がかからない食事として、親しまれています。世界にも日本のお粥のような料理がありますので、国別にお好みの味を探してみてください。
<中国>
- 中華粥
鶏がらなどからだしを取り、だしと一緒に煮たお粥です。一般的に鶏肉やザーサイ、ネギなどをトッピングすることが多いようです。
<韓国>
- クッパ
韓国のお茶漬けのようなものです。辛みのあるものや辛みのないものなど、材料や調味料によってさまざまな種類があります。
<ブラジル>
- カンジャ
カンジャはポルトガル語でスープ(汁)という意味です。鶏肉や野菜をご飯と一緒に煮た日本の雑炊に似たものです。味付けはシンプルに塩こしょうだったり、コンソメを入れてもおいしいです。
おすすめレシピ~グッテレシピから~
焼いた鮭、ほうれん草、はんぺん、おくらが入った白だしのお茶漬けです。トッピングはアレンジ自由です。ご飯を煮ていないため、さらさらとして食べやすいと思います。
豆腐、カニカマ、卵が入っているため、たんぱく質の補給もできます。体調に合わせてネギをほうれん草に代えるなど、野菜はアレンジ可能です。体調が悪いときの強い味方になってくれること間違いなしです。
最後に
お粥について学んできましたが、いかがでしたでしょうか。 お望みの回答になっていましたら幸いです。グッテレシピでは他にも雑炊やお茶漬け、リゾットなどのレシピが数多く掲載されています。自分好みのレシピを探してみてください。
グッテコラムでは『こんなことを特集してほしい!』というテーマを募集しています。
何かご希望のある方はご連絡いただけると嬉しいです。
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監修者
宮﨑 拓郎
米国登録栄養士|公衆衛士学修士
Academy of Nutrition and Dietetics (米国栄養士会)所属 Registered Dietitian (登録栄養士)。ミシガン大学日本研究センター連携研究員。アメリカミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学病院消化器内科で臨床試験コーディネーターとして低FODMAP食の研究等に従事。帰国後コロンビア大学監修クリニックなどで保険適応外栄養プログラム立ち上げ、食事指導などに従事。講談社より「潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養」などを共著にて出版。ニュートリションケアなど管理栄養士向けの執筆多数。
執筆者
福多 小夏
管理栄養士
元病院管理栄養士。急性期病院に勤務し入院患者さんの栄養管理や主に生活習慣病患者さんへの栄養指導に従事し1人体制の栄養科で病院内を毎日駆け回る。子供の妊娠を経て夫の海外赴任のタイミングで病院を退職し子育てを経てグッテでの勤務を開始。親しみやすく、寄り添えるような管理栄養士になれるよう努めていきたいです。中学生と小学生の子どもを持ち、フレンチブルドッグをこよなく愛する2児の母です。