~ 管理栄養士のシチューレシピ付き ~
執筆者:井本 かおり(管理栄養士)
寒い日は何か温かいものが食べたくなりますね。前回特集で「米粉の特徴と使い方のコツ」をお伝えしましたが、今回は実践編!すぐ使える『米粉で作るホワイトソースレシピのご紹介』☆実はルウを使ったシチューを作るのと、米粉を使ってルウでシチューを作るのと調理時間があまり変わらないってご存知でしたか?
今まで何気なく食べていたクリームシチューって脂質が高いんですね。自分で作ってみようと思ったけど、なんだか時間もかかるし難しそう。。
そうですね。市販のルウを使う場合、脂質の高さや食用油脂などを控えてる方はホワイトソースを手作りされている方も多いのではないでしょうか?
でもねカイ君。実は米粉を使うとルウを使わなくても驚くほど簡単に作れちゃうんですよ(^^)今日は『低脂質 × グルテンフリー × 低FODMAP 』にアレンジしたレシピでお伝えしますね!
こんな豪華なアレンジレシピが簡単にできるのは嬉しいな(^^)
ホワイトシチューを小麦粉から作る場合、ホワイトソースを先に作るところから始まります。
バターと小麦を焦げないようにしっかりと炒め、牛乳はだまにならないように少しずつ加えて、しっかりとかき混ぜる・・・・と作業工程がたくさんありますね。
難しいし、焦げてしまうし、正直言って面倒!なかなか大変な作業です。
米粉で作る場合はどうでしょう?
米粉で作るホワイトシチューは驚く程簡単に作れます。市販のルウを使う場合と同じ調理時間ででき、脂質を減らす事も可能。と良い事ばかり。
一度米粉でホワイトシチューを作りたいと思われた方はぜひ、最後までご覧になって作って下さいね。
米粉と小麦粉の違いについて詳しく知りたい方は、前回の特集『米粉を知ろう!~ 米粉の特徴と使い方のコツ ~』も合わせてご覧ください(^^)
詳しい記事はこちら:『米粉を知ろう!~ 米粉の特徴と使い方のコツ ~』
米粉でホワイトソースを作るメリット
良い点① 脂質を減らす事が出来る
小麦粉でホワイトソースを作るときはバターなどの油と小麦粉を炒めて作ります。市販ルウにも脂質が多く使われています。しかし、米粉で作る場合は、肉と野菜を炒める時に使う少量の油だけで作ることができます。
良い点② 食べられる食品だけで作れる
乳製品が食べられない場合は、バターを植物性油脂に替え、牛乳を豆乳やライスミルクに代えて作ることができます。他の食品も代わりのものを使う事で、自分の体に合ったレシピを作ることができます。
良い点③ 簡単に作れて失敗しにくい
米粉でホワイトシチューを作る場合は、具材が煮えた後に米粉を牛乳で溶いて、水溶き片栗粉のように鍋に加えて、混ぜ合わせるだけです。丁寧に混ぜたら、失敗する心配はありません。
良い点④ 調理時間の短縮
牛乳で溶いた米粉を仕上げに混ぜ合わせるだけなので、ホワイトソースを先に作る手間がはぶけて時間も短縮になります。
管理栄養士かおりさんの「米粉のホワイトシチューレシピ」
【1人分の栄養価】
※アーモンド・ブリーズ(砂糖不使用)100mlあたり
エネルギー16kcal たんぱく質0.6g 脂質 1.2g 炭水化物0.8g 食物繊維0.3g 食塩相当量0.2g
みそを入れているので、優しい味わいです。じゃがいもの代わりに大根を使ってもおいしく出来ます。
【材料 2人分】
鶏もも肉 100g
じゃがいも 1個(100g)
にんじん 1/3本(50g)
白菜 1枚(100g)
ブロッコリー 40g
お好みの油 小さじ2
水 100㎖
みそ 小さじ1
アーモンドミルク 300㎖
米粉 大さじ2
塩 小さじ1/2
こしょう 少々
【作り方】
- 鶏肉は一口大に、じゃがいも、ニンジンは厚めのいちょう切り、白菜は短冊切りにする。
- 鍋を中火で加熱し、油を適量入れ、鶏肉を入れて炒める。
- 鶏肉に焼き目がついたら鍋から皿に取り出し、2の鍋に油を適量入れ、1の野菜を入れて炒める。
- 白菜に火が通るまで炒め、3の鶏肉を鍋に戻し、水をいれる。※野菜をしっかり炒めることで、野菜の旨味を引き出します。
- 4を弱火でジャガイモに火が通るまで煮、塩、こしょうを加える。
- ボールにみそ、アーモンドミルクを入れてかき混ぜながら米粉を入れて溶かす。
- 5の鍋をかき混ぜながら6をだまにならないようにゆっくりと入れてとろみが出るまでしっかり火をいれながらかき混ぜる。
- 塩、こしょうで味を整え下茹でをしたブロッコリーを入れて、ひと煮立ちさせたら出来上がり。
低FODMAP食にしたためこのように工夫しています。
- 玉ねぎを白菜に代える。玉ねぎ同様に炒める。
- 牛乳はアカディ牛乳かアーモンドミルクに変える。アーモンドミルクの場合は水を半分に減らしてアーモンドミルクを減らした分だけ追加する。
- ブロッコリーは花蕾の部分のみ使う。
低FODMAPについての詳しい記事はこちら:『低FODMAP食と気をつけるポイント-過敏性腸症候群(IBS)や潰瘍性大腸炎・クローン病(IBD)に対する食事療法』
本当に簡単!栄養満点でとっても体に良さそう♪
脂質が少ない分、あっさりとしたホワイトシチューに仕上がります。小麦を避けている方だけでなく、脂質の量が気になる方にもお勧めのレシピです。米粉の量と水分量を変えるだけでグラタンのホワイトソースへのアレンジが可能ですので、ぜひ試してみて下さいね。
米粉で作ったホワイトソースレシピのご紹介
toeさんレシピ「鶏ももと豆苗の米粉グラタン」
ホワイトソースは米粉&豆乳で作られています。寒い時期にピッタリのお腹へのやさしさがいっぱい詰まったグラタンですね(^^)
監修者
宮﨑 拓郎
米国登録栄養士|公衆衛士学修士
Academy of Nutrition and Dietetics (米国栄養士会)所属 Registered Dietitian (登録栄養士)。ミシガン大学日本研究センター連携研究員。アメリカミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学病院消化器内科で臨床試験コーディネーターとして低FODMAP食の研究等に従事。帰国後コロンビア大学監修クリニックなどで保険適応外栄養プログラム立ち上げ、食事指導などに従事。講談社より「潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養」などを共著にて出版。ニュートリションケアなど管理栄養士向けの執筆多数。
執筆者
井本かおり
管理栄養士|日本栄養士会食
物アレルギー分野管理栄養士
管理栄養士として、病院、行政(学校給食)、こども園で主に献立作成、栄養指導、食育などに従事。家では過敏性腸症候群(IBS)の息子と一緒に低FODMAP食事療法を実践中。忙しい時にでも簡単においしく出来るレシピが得意です。