執筆者:福多 小夏(管理栄養士)
1月がスタートして、寒さが一層増してきました。体を冷やさないように体の芯からぽかぽか温まる料理を食べて、この冬を乗り切りましょう。
体が冷えると体調を崩しやすいので、寒い日におすすめの料理はなにかありますか?
カイ君のように冷えから体調を崩しやすいという方は多いと思いますので、今日は体を温める料理をご紹介したいと思います。
煮込み料理のすすめ
体を温めるには、加熱調理したものを摂ることをおすすめします。生のサラダなどにして食べると野菜に含まれている水分によって、体が冷えてしまう可能性があります。
おすすめ料理
お鍋
お鍋は冬の代表的な料理です。地方によって入れる食材はさまざまですが、体を温める効果があるとされている食材(ねぎ、生姜など)を入れるとさらに効果的です。
潰瘍性大腸炎・クローン病(IBD)や過敏性腸症候群(IBS)の方は体調に合わせて食材選びが必要になってきます。症状別に一般的にお鍋によく使われる食材でリストを作成してみましたので、参考にしていただけますと幸いです。
なお、個人差がありますので、あくまで目安としてご活用ください。
《 注意点 》
*1) ごぼう・・・ごぼうはMonash大学の研究室にて低FODMAP食かは調べていませんが、イヌリンが含有されていることから✖と表示しています。
*2) キノコ類は水気を切ったマッシュルームの缶詰とひらたけは低FODMAP食です。
牛肉、豚肉・・・柔らかい状態のものをよく嚙んでゆっくり食べるよう心がけてください。
水炊き、豆乳鍋、ちゃんこ鍋、などなど和風から洋風までバリエーション豊かに楽しめるところが魅力です。
シチュー
鶏肉や豚肉などと人参、じゃがいも、玉ねぎなどの野菜を一緒に煮込み、
ホワイトソースを牛乳やスープでのばして仕上げたものがホワイトシチュー(クリームシチュー)です。
ビーフシチューは牛肉と人参、じゃがいも、玉ねぎなどの野菜をドミグラスソースやブラウンソースと共に長時間煮込んだ料理です。
IBDの方で牛肉や豚肉でお腹の調子が悪くなる方は、鶏肉を使ったホワイトシチューがおすすめです。
鶏むね肉を使用するとより脂質を抑えられます。
IBSの方で牛乳や小麦粉で消化器症状が出てしまう方に、アーモンドミルクを使用したホワイトシチューを後ほどご紹介します。
汁物、スープ
具だくさんのみそ汁やコンソメスープ、ミネストローネなどの汁物も体を温める料理として、特に朝食に摂ることをおすすめします。伝統的な東洋医学や漢方の考え方では、かぼちゃは体を温める食材とされていますので、みそ汁やスープに入れるとより効果的です。
おでん
旬の大根を練りものと一緒にかつお節や昆布の出汁でじっくり煮込んだ冬ならではのお馴染みの料理です。IBDで体調が悪いときや狭窄がある場合は、消化管への負担が大きいため、こんにゃくは摂取しないようにしましょう。
また、IBSで低FODMAP(フォドマップ)食を実践中の方は、昆布は省きましょう。練りものには、還元水あめやソルビトール(ソルビット)などの人工甘味料、大豆由来のたんぱくが使われている場合があります。購入する際には原材料表示を確認して下さい。
寒い日に具だくさんのみそ汁やおでんを食べると体が温まるよね。
参考:農林水産省
おすすめレシピのご紹介~グッテレシピから~
玉ねぎ、小麦粉、牛乳不使用のホワイトシチューですので、低FODMAP食実践中の方に嬉しいレシピです。
玉葱麹と塩麴を使った牛乳不使用のホワイトシチューです。
鶏がらスープを使った中華風スープです。片栗粉でとろみが付くため、スープが冷めにくくなります。脂質が気になる方は鶏もも肉をむね肉に代えたり、卵を省くなどアレンジ可能です。
玉ねぎ不使用ですが、黒糖が玉ねぎを炒めたときの甘さの代わりになってまろやかさを演出しています。
おわりに
お鍋やおでんなどを家族や友人と囲んで食べると心も体も温まりますね。ご自身で食べられる食材だけを取り分けて食べることができますので、調理するご家族の負担の軽減にもなります。
グッテレシピでは『あったまるもの』というタグからレシピを検索することができます。ぜひご活用ください。
『我が家にはお気に入りのお鍋があるよ』という方はレシピのご提供もお待ちしています!
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グッテコラムでは『こんなことを特集してほしい!』というテーマを募集しています。
何かご希望のある方はご連絡いただけると嬉しいです。
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監修者
宮﨑 拓郎
米国登録栄養士|公衆衛士学修士
Academy of Nutrition and Dietetics (米国栄養士会)所属 Registered Dietitian (登録栄養士)。ミシガン大学日本研究センター連携研究員。アメリカミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学病院消化器内科で臨床試験コーディネーターとして低FODMAP食の研究等に従事。帰国後コロンビア大学監修クリニックなどで保険適応外栄養プログラム立ち上げ、食事指導などに従事。講談社より「潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養」などを共著にて出版。ニュートリションケアなど管理栄養士向けの執筆多数。
執筆者
福多 小夏
管理栄養士
元病院管理栄養士。急性期病院に勤務し入院患者さんの栄養管理や主に生活習慣病患者さんへの栄養指導に従事し1人体制の栄養科で病院内を毎日駆け回る。子供の妊娠を経て夫の海外赴任のタイミングで病院を退職し子育てを経てグッテでの勤務を開始。親しみやすく、寄り添えるような管理栄養士になれるよう努めていきたいです。中学生と小学生の子どもを持ち、フレンチブルドッグをこよなく愛する2児の母です。