大腸内視鏡検査(大腸カメラ)検査前の食事のポイント

監修者:宮﨑 拓郎(米国登録栄養士)
執筆者:井本 かおり(管理栄養士)

大腸内視鏡検査は大腸の健康状態を確認するための重要な検査です。そのため潰瘍性大腸炎、クローン病(IBD)及び、過敏性腸症候群(IBS)の方にとっては必要な検査になります。
大腸内視鏡検査をする場合には大腸に便が残っていない状態にするため、適切な準備が必要であり、その中でも検査前の食事は重要なポイントの1つになります。
この記事では、大腸内視鏡検査前日の食事に関するポイントを詳しくご紹介します。

管理栄養士
かおりさん

こんにちは!管理栄養士のかおりです。
実は・・・大腸内視鏡検査を過去に受けた時に前日の食事にどんなものを食べようかと悩んだ経験があります。

華美さん
IBS混合型

えっ!かおりさんでも食事の事で悩むことがあるのですね。

管理栄養士
かおりさん

検査前の食事のように、普段とは違う食事をする時は戸惑いがありますね(^-^;
きっと、今回の記事を読んでいる方も検査前の食事に悩まれている方も多いのではないでしょうか?

華美さん
IBS混合型

私も検査前はどんな食事が良いのか考えた経験があります。

管理栄養士
かおりさん

今回の記事が私や華美さんのように検査前の食事に悩んでいる方の参考になると嬉しいです。

検査前日の食事

精度が高い大腸内視鏡検査をするためには大腸に便が残っていない状態にする事がポイントです。そのため、一般的には前日の食事は消化によいもの(低残渣食)を食べるようにします。

華美さん
IBS混合型

検査前に食べるとよい食事を具体的に教えてください。

管理栄養士
かおりさん

検査前日の食事について食品の選び方から説明していきますね。

食品の選び方

下記の図を参考に食品を選ぶようにしましょう。

※「ー大腸内視鏡検査を受ける方へー事前準備のお願い 日本消化器内視鏡技師会監修」を参考に作成

朝、昼、夕食の食事例

朝食・昼食

朝、昼は図の食品の中から普段の食事量かそれより少ない量を食べます。
しっかりとよく噛んでゆっくり食べるようにしましょう。

夕食以降

夕食は軽くする場合や決められた検査食を食べる場合があります。医師から事前に説明があればその指示に従います。
絶食を始める時間やその他細かい食事内容、水分や薬などについても説明書や医師の説明に従って準備してください。

食事例

・食パン(バター・ジャムなど無し)

・バナナ

・目玉焼き

・うどん(具なし)

・じゃがいもだけの肉じゃが

間食

・ゼリー

【 少量の場合 】

・コーンスープ

【 通常の量の場合 】

・お粥(鮭)

・冷奴(トッピングなし)

・みそ汁(具なし)

あくまで食事の例になります。
家族と同じ食事から準備をする場合は、みそ汁やうどんは具を取り除くなど取り除く事で準備の負担を減らす事が可能です。

華美さん
IBS混合型

検査の前日は食事を作る時間が取れそうにないのですが、何か良い方法はありますか?

管理栄養士
かおりさん

実は華美さんのように忙しい時や外出先でも食べられる大腸検査用の食事が販売されているんですよ。

市販の大腸内視鏡検査用食事セット

大腸内視鏡検査用に考えられた食事が市販で売られており、ドラッグストアや病院で購入する事が出来ます。
市販検査食のメリットは、検査食を考える手間や準備が不要なことやメーカーが監修している安心感があります。
しかし、割高感があることや摂取エネルギー量が普段の食事に比べて少ないといったデメリットもあることから、必ずしも食事セットの購入は必要ありません。

主な大腸検査食をご紹介します。
下記の商品以外にも、2食分のみや、夕食が軽めのものなど用途に合わせた内容で多数販売されています。
ご購入の際は主治医に相談の上、どのメーカーのものにするかお選びください。

グッテレシピからおすすめレシピ紹介

はんぺんと豆腐のお好み焼き風
by めいさん

マヨネーズは使わないようにしましょう。

豆腐そぼろ親子丼
by  なちさん

三つ葉などのトッピングは入れないようにします。

最後に

大腸内視鏡検査を受ける前の準備は食事面だけでなく下剤などの服用など心身ともに負担がかかる検査です。今回の記事が検査前の負担の軽減に繋がれば幸いです。
検査の日程や事前の食事について、ご不明な点があれば主治医や看護師に確認して下さいね。

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監修者

宮﨑 拓郎
米国登録栄養士|公衆衛士学修士

Academy of Nutrition and Dietetics (米国栄養士会)所属 Registered Dietitian (登録栄養士)。ミシガン大学日本研究センター連携研究員。アメリカミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学病院消化器内科で臨床試験コーディネーターとして低FODMAP食の研究等に従事。帰国後コロンビア大学監修クリニックなどで保険適応外栄養プログラム立ち上げ、食事指導などに従事。講談社より「潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養」などを共著にて出版。ニュートリションケアなど管理栄養士向けの執筆多数。

執筆者

井本かおり
管理栄養士|日本栄養士会食
物アレルギー分野管理栄養士

管理栄養士として、病院、行政(学校給食)、こども園で主に献立作成、栄養指導、食育などに従事。家では過敏性腸症候群(IBS)の息子と一緒に低FODMAP食事療法を実践中。忙しい時にでも簡単においしく出来るレシピが得意です。