~ お弁当のちょっとした工夫~
執筆者:福多 小夏(管理栄養士)
毎日の食事、栄養バランスを考え作るのは大仕事ですよね。気付かないうちに同じ食材や同じ味付けになっていた。。なんてよくあること。そしてそれがお弁当となるとさらにハードルがあがりませんか?
今回はお弁当にとって一番大事なこと。さらにグッテレシピのIBD(潰瘍性大腸炎/クローン病)患者さんのお弁当に使える工夫やコツをご紹介します。
え??お弁当って夕食のおかずを多めに作って翌日お弁当に詰める感じではダメなんですか?
あとは・・緑色か赤色の食材を隙間に入れて見た目をよくするといいのかな?
もちろん、作り置きや夕食の残り物を詰めるのも良いですよ。
しかしカイ君!!
実はお弁当作りは見た目以上に大事なことがあるんです!
今日はお弁当の詰め方の工夫や患者さんのお弁当の工夫もご紹介しますね☆
お弁当の詰め方の基本
お弁当を詰める際、水分は大敵です!なぜなら「水分が多いと細菌の繁殖が進みやすい」ためです。よって詰める際に汁が出るものはペーパータオルできちんと汁気を吸わせましょう。煮物でも煮詰めて煮からめるようにすれば水分を減らすことができます。なお、煮物は煮詰めた場合でも汁気は切ってから詰めるようにしましょう。
そして、大事なことは
冷ましてから詰めることです!
熱いまま詰めると蒸気がこもり、その水分が細菌繁殖の原因になるため、ご飯は冷めてからふたをしましょう。おかずはお弁当箱に詰める前に冷ましてから詰めましょうね。
また、お弁当による食中毒を予防するために清潔にすることも大切です。
- 調理前にせっけんを使ってよく手を洗うこと。そのあと手を拭くことも忘れずに。
- 調理器具を清潔にすること。切るときは果物→野菜→肉や魚の順に切ると、野菜や肉、魚の雑菌が果物に移るのを防ぐことができます。
- 生野菜は避け、加熱したものが安全です。かまぼこや竹輪などの練りものも、トースターで焼く、炒める、レンジで加熱するなど加熱しましょう。
- 保冷剤の活用。夏場や食中毒が気になる時期は、保冷剤をお弁当箱と一緒に保冷バックに入れてお弁当箱全体を冷やしておくと安心です。
IBD患者さんのお弁当の工夫
いろどりの工夫
低残渣・低脂質を意識すると、どうしても地味な色が多くなってしまいがちですが、ケチャップで味付けをしたり、にんじんやカボチャなど安心の色付き野菜を使ってもお弁当が明るくなりますね♪(生野菜は時間が経つと水分が出やすいため、夏の時期はじゃがいも、人参、インゲン、絹さや、ズッキーニ、パプリカ、ブロッコリー、ピーマン、長ネギなど水分の出にくい食材を選んでください^^)
リノさんレシピ「ノンオイルDEオムライス」
卵の上にかけるケチャップは食べる直前にかけると水分が出るのを抑えられます☆
ケチャップは市販されている小分けの使い切りタイプが便利です(^^)
Pentaさんレシピ「にんじんしりしり」
卵も良質なたんぱく質なのでお弁当には使いやすい食材ですね。
食材が固くならない工夫
出来立てはとっても美味しいのに時間が経ち冷めてしまうと固くなって美味しくなくなってしまうのはもったいないですよね。ここでは食材が固くならない工夫が詰まったレシピを紹介します。
Pentaさんレシピ「フライパン一つで完成!チキンチャップ」
胸肉のパサつきを上手に抑えた調理方法。とても研究された一品。
ユカ@潰瘍性大腸炎UCもちさんレシピ「魚ハンバーグ」
栄養満点でアレンジも楽しめますね。ハンバーグも固くならないためおススメです☆
お弁当のおかずはしっかりとした濃い味にすると、冷めてもおいしいことに加えて細菌の繁殖を防ぐことにもつながります。
和え物の万能アイテム
ふりかけはご飯だけではなく、副菜にかけても様々な味を楽しむことができます。また、もみのり、すりごま、かつお節、とろろ昆布、パン粉など余分な水分を吸ってくれる食材と組み合わせることで、お浸しや煮物もお弁当に入れやすくなります。
いか@クローン病さんレシピ「アスパラののりたま和え」
簡単で野菜やふりかけの味をかえるだけで色々な味が楽しめますね。
たのくっきんさんレシピ「チンゲン菜ののり浸し」
時間がない時でも簡単に作れますし、海苔が水気を吸ってくれます♪
瓶に入ったパセリやパプリカ粉、バジルの活用もさっと振るだけなので簡単で便利です(*´ω`)
スープジャー
外出先でいつでも温かいお弁当が楽しめるアイテム。温まりたい時に活用できる強い味方ですね。
Chikuhoさんさんレシピ「エビハンペン団子でうどん」
スープジャーを活用することで、朝、冷凍うどんの解凍時間を短縮でき、昼食には食べごろ。なんて計算された賢いレシピなんでしょう(^^)
冷凍食材活用
ご飯やおかずの冷凍ストックは、お弁当の下準備や急に体調が悪くなった時に役に立ちます。
冷凍ストックを作る時は、具材を切り分けて保存することもおススメです。ささみは一本ずつわけて冷凍する、むね肉も皮を外して1口大に切ってから小分けにラップに包んで冷凍すると、一つの具材で複数のアレンジや味が楽しめますね♪
なちさんレシピ「揚げないチキンナゲット」
温め直すときは電子レンジの解凍メニューまたは100~200Wに設定して解凍してから温め直しがおすすめです。レンジ→オーブントースターで加熱するとよりおいしくなります。
常温で保存ができ、どこででもストックできるフリーズドライも簡単に作れて便利なところが魅力です。
また、ふりかけやフレーク、瓶詰商品などは様々な種類があり、お弁当や入院時におかゆやご飯を食べる際にも重宝します。
サンドイッチ弁当
お弁当に手作りサンドイッチやお店のパンを食べる時はこちらの特集を参考にしてみてください♪
自分にあった安心の食材と調理法でお弁当生活楽しんでくださいね!
お弁当箱に詰める時も下準備って大事なんですね。作りおきをした後に詰める時には加熱しないといけないことや冷ましてから詰めることが大切と良くわかりました!
カイ君。すっかり料理男子だね(^^)
グッテレシピでは「お弁当・作りおき」からもレシピが探せます。ぜひチェックしてみてください♪
監修者
宮﨑 拓郎
米国登録栄養士|公衆衛士学修士
Academy of Nutrition and Dietetics (米国栄養士会)所属 Registered Dietitian (登録栄養士)。ミシガン大学日本研究センター連携研究員。アメリカミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学病院消化器内科で臨床試験コーディネーターとして低FODMAP食の研究等に従事。帰国後コロンビア大学監修クリニックなどで保険適応外栄養プログラム立ち上げ、食事指導などに従事。講談社より「潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養」などを共著にて出版。ニュートリションケアなど管理栄養士向けの執筆多数。
執筆者
福多 小夏
管理栄養士
元病院管理栄養士。急性期病院に勤務し入院患者さんの栄養管理や主に生活習慣病患者さんへの栄養指導に従事し1人体制の栄養科で病院内を毎日駆け回る。子供の妊娠を経て夫の海外赴任のタイミングで病院を退職し子育てを経てグッテでの勤務を開始。親しみやすく、寄り添えるような管理栄養士になれるよう努めていきたいです。中学生と小学生の子どもを持ち、フレンチブルドッグをこよなく愛する2児の母です。