ホワイトデー特集
『バナナの魅力 ~ 簡単デザート ~』
執筆者:福多 小夏(管理栄養士)
バレンタインから1カ月。次は男性から女性へのお返しイベント「ホワイトデー」がやってきますね。ちなみに、バレンタインは世界的なイベントですが、ホワイトデーは意外にも日本で生まれたイベントで欧米にはないそうです。(日本では「お返しの文化」が昔からあるので、このようなイベントができたのかもしれないですね(^^))
余談ですが、中国でもこのホワイトデーイベントが一部地域で日本から輸入されたそうですが、バレンタインもホワイトデーもどちらの日も男性から女性へ贈り物をするそうです!!お返しの文化の違いですが、面白いですね♪
手作りデザートのお返しなんてハードルが高いな。。と思ってらっしゃる方は必見です。本日は誰でも簡単に作れちゃうお腹に優しいデザートレシピをご紹介します!
先月リノさんから頂いたバレンタインデザートとっても美味しくって、僕もホワイトデーのお返しは手作りデザートに挑戦したいなと思いました!
なっちゃん、僕でも失敗せず簡単に作れて、IBDの方へも安心して渡せるデザートレシピを教えてください!
まあ素敵☆手作りでもらうと嬉しいですよね!リノさんの喜ぶ顔が目に浮かびます(^^)それでは、グッテレシピにある簡単デザートを2つご紹介しますね!
そして、実はデザートにとっても良い食材があるので、そちらの魅力もお伝えします(^^)
吉野こまちさんレシピ「バナナと豆乳のバナナプリン」
低脂質で美味しそうなプリンがこんなに簡単に作れるんですね!材料も少なくて、これなら僕にもチャレンジできそうです(^^)
手順1でバナナを電子レンジで温めるとあるんですが、どうしてですか?
バナナをレンジで温めることで、熟した状態のペクチンと無調整豆乳のカルシウムが反応しくっつき、プリンのように固まることができるんですよ!
なので、熟していないバナナの場合は、加熱をしてくださね。ペクチンの分解が進み固まりやすくなります(^^)
abqさんレシピ「バナナくるみホットケーキ」
ホットケーキミックスだと卵・牛乳を使わず水だけでも簡単に美味しくできるんですね!
そうですね。ホットケーキミックスもIBD患者さんには安心の食材ですね!
ホットケーキミックスを使うことで、計量する必要もなく、簡単で手軽に作れるところが、料理が苦手な人でも手作りするハードルを下げてくれる魅力だと思います。くるみは体調に合わせて、入れても入れなくてもOKです。そして何より、バナナが最大のおいしさポイントです☆
バナナの魅力
お気付きになられましたか?デザートにとっても良い食材とはバナナでした!
日本で一番身近な果物であるバナナ、年中スーパーでお手頃な価格で購入でき、日本人に一番よく食べられている果物です。バナナがデザートにも簡単でおススメな点として
- 包丁いらずで、簡単に皮がむけること
- 火を通すと甘みや香りが増すこと
- 砂糖を入れなくてもバナナの甘みだけで甘さを感じられること
などがあります。
さらに、実はバナナには体が喜ぶ栄養素が豊富に含まれています。さっそく、ひとつひとつ見ていきましょう!
食物繊維
バナナには水に溶ける水溶性の食物繊維と水に溶けにくい不溶性の食物繊維の両方が含まれています。
水溶性食物繊維の働きは主に4つあります。
①水を含んでゼリー状にふくらみ、便をやわらかくする
②血液中や肝臓内のコレステロールを低下させる
③糖質の吸収をおさえる
④善玉菌を増やし、腸内環境のバランスを良好にする
不溶性食物繊維の主な働きは、便のかさを増やして腸のぜん動運動を活発にしてくれることです。また、腸内の毒素などを吸着して体外に排出してくれる作用もあります。
食物繊維は腸内環境を良好にするだけでなく、生活習慣病の予防にもつながる重要な栄養素なんだね!
ビタミンB群
ビタミンB群は、たんぱく質を骨や筋肉の形に変えたり、糖質や脂質をエネルギーに変えたりする際に重要な役割をしています。糖質をエネルギーに変えるビタミンB群には、疲労を回復する効果もあります。
また、ビタミンB₃やB₆は細胞や組織を修復したり、新しく生まれ変わらせたりする際に働く重要なビタミンです。肌荒れやニキビ、口内炎などに重要な働きをするとともに赤血球のヘモグロビンの合成にも不可欠のためIBD患者さんで多い貧血対策としても大切なビタミンです。
ミネラル(カリウム、マグネシウム、亜鉛、カルシウムなど)
ミネラルは筋肉を動かしたり、神経の情報伝達を助けたり、酵素の働きをサポートしたり、体内の水分バランスを調節したりします。体内で作ることができないため、食べ物から摂り入れる必要があります。
特にカリウムは他の果物と比べても豊富に含まれています。100g当たりりんご110㎎、バナナ360㎎!
カリウムの働きは体内の余分なナトリウムを体外に排出してくれる、カルシウムが排出されすぎるのを抑制してくれることなどです。(1)
オリゴ糖
バナナには、ブドウ糖、果糖、オリゴ糖などの糖質が含まれています。
なかでもオリゴ糖は小腸に入ると、乳酸菌やビフィズス菌のエサになり腸内の善玉菌が優位になります。
腸内環境のバランスを良好にしてくれるんですね。
このように、バナナは栄養価がとても高く、体にとって嬉しい効果がたくさんあります。
バナナの食べごろについて
バナナの食べごろについて、考えたことや気にしたことありますか?
バナナを置いておくと、時間が経つにつれて熟して黒い斑点が出てきます。この黒い斑点は「シュガースポット」と呼ばれ、シュガースポットが全体の半分くらいに広がった状態が食べごろだと言われています。それ以上熟して、皮をむいたときに酸っぱいにおいがしたり、柔らかい場合は腐っている可能性があるのでご注意ください。
バナナは常温で保存してくださいね。冷蔵庫で保存すると低温障害をおこし皮が黒くなってしまいます(^^;)
なっちゃん、今日はバナナの魅力を教えてくれてありがとうございました!バナナってIBDの方にも安心な上、栄養もとっても豊富でさらに「簡単×デザート」にピッタリの食材なんですね!
ホワイトデーが楽しみになってきました☆
魅力がお伝え出来て良かったです(^^)
また、バナナ以外でもグッテレシピでは患者さんのお腹に優しいデザートレシピがたくさんありますので、是非チェックしてみてくださいね☆
それでは皆さま、ホワイトデーをお楽しみください♪
参考文献:(1)日本食品標準成分表
監修者
宮﨑 拓郎
米国登録栄養士|公衆衛士学修士
Academy of Nutrition and Dietetics (米国栄養士会)所属 Registered Dietitian (登録栄養士)。ミシガン大学日本研究センター連携研究員。アメリカミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学病院消化器内科で臨床試験コーディネーターとして低FODMAP食の研究等に従事。帰国後コロンビア大学監修クリニックなどで保険適応外栄養プログラム立ち上げ、食事指導などに従事。講談社より「潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養」などを共著にて出版。ニュートリションケアなど管理栄養士向けの執筆多数。
執筆者
福多 小夏
管理栄養士
元病院管理栄養士。急性期病院に勤務し入院患者さんの栄養管理や主に生活習慣病患者さんへの栄養指導に従事し1人体制の栄養科で病院内を毎日駆け回る。子供の妊娠を経て夫の海外赴任のタイミングで病院を退職し子育てを経てグッテでの勤務を開始。親しみやすく、寄り添えるような管理栄養士になれるよう努めていきたいです。中学生と小学生の子どもを持ち、フレンチブルドッグをこよなく愛する2児の母です。