執筆者:井本 かおり(管理栄養士)
管理栄養士のKaoriです。前回のコラムでは、冷凍保存をするメリットやデメリットについての内容を掲載しましたが、ご覧いただけましたか?
自炊が苦手な方や忙しい方、また体調が崩れて調理が負担になっている場合、冷凍野菜を活用することで手軽に野菜を取り入れた食事を簡単に摂ることができます。
今回のコラムでは、冷凍野菜を使った時短調理のアイデアをご紹介します。
低FODMAP食を始めてから自炊を始めたのですが、料理をいままであまりしなかったので、自炊が少し負担になっています。
自炊が負担になっている時にはぜひ市販の冷凍野菜を使って調理の負担を減らすことをお勧めします。
華美さんも試してみませんか?
負担が減らせるのはうれしいです!ぜひ、冷凍野菜の活用法を教えて下さい。
市販の冷凍野菜を購入するメリットは?
01
必要な量だけ使える
特に一人暮らしの方など、一度に少量しか使わない場合、野菜を使い切れずに無駄にしてしまうことがよくあります。しかし、冷凍野菜は必要な分だけ取り出して使える上に保存もきくため、ロスを減らすのに役立ちます。
02
下処理不要
小口ねぎやほうれん草、かぼちゃなど使いやすい大きさにカットされており、野菜の洗浄や切り分けの手間が省けるため、下処理をする時間が減らせ、その分時短調理に繋がります。
03
旬の時期の栄養価で食べることができる
市販の冷凍野菜は旬の野菜の栄養価をほとんど損なわずに保つことができる「ブランチング」という工程で急速冷凍されています。「ブランチング」についてもっと詳しく知りたい方は前回のコラムをご覧ください。
へーっ、冷凍野菜は野菜を洗ったり、切る手間が省けるので助かりますね🎵
かぼちゃやネギは包丁で切ることが難しいので、市販の冷凍野菜は特に大活躍すると思います。
次は冷凍野菜を使った簡単レシピをご紹介していきます。
市販の冷凍野菜の使い方
市販の冷凍野菜は、おいしさを最大限に引き出すために適切な調理方法で加熱することが大切です。美味しく仕上げるポイントを調理方法別にまとめていきます。
添え野菜やお浸しに
熱湯が入った鍋に凍ったままの冷凍野菜を入れて、再沸騰したらすぐにざるにあげて水気をきります。
おいしさのポイントは、茹で過ぎない事と、ざるにあげた後は水にさらすと水っぽくなるので、ざるの上で粗熱をとります。
IBDの方で野菜を柔らかく調理したい場合は、茹で時間を長めに設定して調整してください。
市販の冷凍野菜の一部には、加熱をせずに自然解凍のみで使える商品も販売されています。
自然解凍可能な冷凍食品は、品質面・衛生面での不安が生じないように、商品基準を設けています。商品パッケージなどでご案内している調理方法を選択して下さい。
適した冷凍野菜 → 枝豆、オクラ、ブロッコリー、いんげん、ほうれん草など
煮込み料理
根菜類の煮物は解凍はせずに凍ったまま鍋に入れ、水や出汁と調味料を加えてから加熱します。中火にかけ、沸騰したら蓋をして弱火にし、やわらかくなるまで煮ます。
適した冷凍野菜 → 里芋、かぼちゃなど
炒めもの
しっかり熱したフライパンに凍ったままの冷凍野菜を入れ、炒めながら解凍します。美味しさのコツは、焦げない程度の強火の火力で、水分が出すぎないようにしっかりと炒めてから調味料を加えることで、味がぼやける事を防ぎます。
冷凍野菜はすでに加熱調理がされているので、生鮮野菜を炒める時に比べて炒める油が少なく済むところが、IBD、IBSの患者さんにうれしいポイントです!
適した冷凍野菜 → ほうれん草、ブロッコリー、いんげんなど
スープやみそ汁の具に
スープやみそ汁が物足りない時は、冷凍野菜を入れることで野菜も簡単に取れ、彩りも良くなります。味を付けたスープやみそ汁に凍ったままの冷凍野菜を入れて、ひと煮立ちさせることで簡単に使えます。
具だくさんのスープにしたい時にもお勧めです。
適した冷凍野菜 → ほうれん草、ブロッコリー、とうもろこし、刻みねぎ、など
冷凍野菜を使った簡単レシピ
冷凍野菜を活用した簡単なレシピを「グッテレシピ」の中からいくつかご紹介します。
⬇︎冷凍里芋を調味料で煮るだけの簡単レシピです。かつお節を使う事でだしを取る手間も省ける時短レシピです。低FODMAP食をされている方もOKのレシピです。
⬇︎このレシピは冷凍野菜と缶詰を活用することで包丁がいらないレシピです。リゾットなので、あたたかいお食事がしたい方にお勧めです。IBDの患者さんはオリーブオイルを控え、ツナ缶は水煮を選ぶ事で脂質を減らす事が出来ます。
⬇︎硬くて切るのが難しいかぼちゃも冷凍かぼちゃを使う事で、オシャレなグラタンの具に変身します。
⬇︎包丁いらずのレシピです。IBDの患者さんは卵の量を調整することで、脂質を減らす事が可能です。
どのレシピも美味しそう🎵冷凍野菜を使ったレシピを色々と作りたいです。
自炊が苦手な方や時間がない方にとって、不足しがちな野菜が気軽に調理が出来るため、日々の食事に大活躍です。ぜひこれらのアイデアを活用して、美味しい時短料理を楽しんでみてくださいね。
監修者
宮﨑 拓郎
米国登録栄養士|公衆衛士学修士
Academy of Nutrition and Dietetics (米国栄養士会)所属 Registered Dietitian (登録栄養士)。ミシガン大学日本研究センター連携研究員。アメリカミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学病院消化器内科で臨床試験コーディネーターとして低FODMAP食の研究等に従事。帰国後コロンビア大学監修クリニックなどで保険適応外栄養プログラム立ち上げ、食事指導などに従事。講談社より「潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養」などを共著にて出版。ニュートリションケアなど管理栄養士向けの執筆多数。
執筆者
井本かおり
管理栄養士|日本栄養士会食
物アレルギー分野管理栄養士
管理栄養士として、病院、行政(学校給食)、こども園で主に献立作成、栄養指導、食育などに従事。家では過敏性腸症候群(IBS)の息子と一緒に低FODMAP食事療法を実践中。忙しい時にでも簡単においしく出来るレシピが得意です。