グッテレシピ

潰瘍性大腸炎・クローン病(IBD)患者さんが知っておきたい低残渣食とは?~食材例・調理の工夫・レシピ~

監修者:宮﨑 拓郎(米国登録栄養士)
執筆者:井本 かおり(管理栄養士)

こんにちは。管理栄養士のKaoriです!
潰瘍性大腸炎やクローン(IBD)の患者さんでは、体調や症状に応じて「低残渣食」が取り入れられること がありますが、低残渣の詳しい内容はご存知ですか?
今回は潰瘍性大腸炎やクローン(IBD)の患者さん向けに、低残渣食とはどのような食事なのか、食材例や調理のポイントについてご紹介します。

低残渣食とは?

残渣」の定義は曖昧です。
一般的に消化管で消化吸収されずに残ったカスが糞便として排出される状態を言います。
たとえば赤ちゃんの便にほうれん草やトウモロコシが丸々出てくる状態を残渣がある状態とイメージすると分かりやすいかと思います。
「残渣」が少ない食事を「低残渣食」と言います。

低残渣食の食材例と調理のポイント

残渣が残りやすい食品でも、食品の部位や調理方法を工夫することで消化しやすい状態になります。

管理栄養士
かおりさん

それでは食品の種類ごとに分けて詳しく説明していきましょう。

※低残渣食の必要性や食べやすい食品は、IBDの活動期・寛解期、狭窄の有無、手術歴、体調などによって異なります。とくに狭窄がある方や症状が強い方は、主治医や管理栄養士と相談しながら食事内容を調整してください。

穀物類

お粥、ご飯、うどん、そうめん、お餅、食パンなど消化に良いものを選びます。
うどんやそうめんは茹で時間を増やし柔らかくするとより消化が良くなりますが、味や食感に影響も出るので、お腹の症状に合わせて調理時間を加減します。
焼きそばやラーメン、パスタは調理をする時に油脂類の使用量が多い事から注意が必要です。
惣菜パンやクロワッサン、菓子パンは原材料にバターなど油脂類が多いので「体調が悪い時」「狭窄」があるときは控えます。
全粒穀物(玄米、オートミール、雑穀米など)は「体調が悪い時」「狭窄」があるときは控えます。

いも類

じゃがいも、里芋は「体調が悪い時」「狭窄」があるときは皮をとり除き裏ごしをします。
長芋はいも類にはめずらしく一般的には生でも食べることが出来ますが、すりおろしてから加熱をします。
こんにゃくは「体調が悪い時」「狭窄」があるときは控えます。

野菜

「体調が悪い時」「狭窄」があるときは皮や種、硬い茎や繊維質の部分を取り除き、加熱をして食べます。

下処理をして取り入れやすい野菜は、

かぶかぼちゃカリフラワーきゅうりトマト小松菜なす春菊大根玉ねぎチンゲン菜ニンジン白菜ピーマンレタスブロッコリーほうれん草

管理栄養士
かおりさん

残渣を減らすための調理テクニックを確認していきましょう!

皮や種を取り除く

きゅうり、なす、トマト、ズッキーニなどは皮をむいて、トマトやきゅうりは種も取り除きます。

潰す・すりおろす

かぼちゃやじゃがいもは柔らかく茹でたり、電子レンジで加熱してから潰してポタージュにしたり、マッシュポテトにします。
冷凍食品売り場には、とうもろこしやブロッコリー、かぼちゃ、グリーンピースなど野菜を潰した状態で売られています。離乳食売り場でもフリーズドライの状態で裏ごしした野菜が販売されています。

管理栄養士
かおりさん

商品をうまく活用する事で調理のひと手間を省く事が可能です♪

茹でる

「体調が悪い時」「狭窄」がある場合は生野菜を食べるのは避け、なるべく加熱して消化吸収されやすい調理方法をお選びください。油を使わない調理方法(蒸す、茹でる、煮る)がおすすめです。
電子レンジで蒸すと時短調理になります。電子レンジ調理のポイントは過去の記事にをご覧ください。

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細かく刻む

ハンドブレンダーやミキサーで簡単に細かく刻むことで消化管への負担を減らすことができます。
みじん切りなど細かく切ってから茹でるよりは、ある程度大雑把に形のある大きさで茹でてから細かく切る方が柔らかく仕上がります。

管理栄養士
かおりさん

実は葉野菜も根野菜も細かく切ってから茹でると中々柔らかいクタクタの状態になりません。

果物

下処理をして取り入れやすい果物は、

バナナすいかももリンゴぶどう缶詰(みかん、もも、りんご、洋なし) 

「体調が悪い時」「狭窄」があるときは皮や種を取り除き、可能な限りコンポートなど加熱をした状態や、裏ごしした果物に加工して食べます。

きのこ類

活動期や狭窄があるときは避けます。

豆類

豆腐や、豆乳、湯葉などの大豆製品も加工の段階で消化によい状態になっています。
大豆、ひよこ豆など豆そのものは「体調が悪い時」「狭窄」があるときは控えます。
こしあんは比較的残渣が少ない食品です。体調に合わせて召し上がってください。

海藻類

海苔は佃煮にすることでクタクタになり比較的残渣が少なくなります。
昆布やひじき、ワカメは「体調が悪い時」「狭窄」があるときは控えます。

魚介類

いか、エビ、かに、たこ、たらこ、貝類は「体調が悪い時」「狭窄」があるときは控えます。

管理栄養士
かおりさん

過去の特集記事狭窄がある方の食べ方の工夫では食材を切る方法など調理方法を分かりやすく解説しています。ぜひご覧ください。

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おすすめの低残渣レシピ

グッテレシピでは患者さまが実際に調理工夫をされているレシピがたくさん掲載されています。今回はその中から2つご紹介します。

管理栄養士
かおりさん

「狭窄」で検索をしていただくと他にもたくさんのレシピを見ることが出来ますので、ぜひご活用下さい。

最後に

IBDの患者さんは症状や食べられる食品に個人差があります。
自分に合う食事を把握するのに、食事記録と体調の記録をつけるといいでしょう。その場合毎日の食事を写真で記録をすることがおすすめです。
今回の記事を参考にご自身の体調に合わせて食品や調理方法を選択してくださいね。

また、活動期・寛解期や狭窄の有無などによって適した食事は異なります。食事制限を続ける必要がある場合や、食事について不安がある場合は、主治医や管理栄養士にご相談ください。

※本記事は2023年8月に執筆された内容をもとに、現在も読みやすくお役立ていただけるよう、一部表現を編集しています。

監修者

宮﨑 拓郎
米国登録栄養士|公衆衛士学修士

Academy of Nutrition and Dietetics (米国栄養士会)所属 Registered Dietitian (登録栄養士)。ミシガン大学日本研究センター連携研究員。アメリカミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学病院消化器内科で臨床試験コーディネーターとして低FODMAP食の研究等に従事。帰国後コロンビア大学監修クリニックなどで保険適応外栄養プログラム立ち上げ、食事指導などに従事。講談社より「潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養」などを共著にて出版。ニュートリションケアなど管理栄養士向けの執筆多数。

執筆者

井本かおり
管理栄養士|日本栄養士会食
物アレルギー分野管理栄養士

管理栄養士として、病院、行政(学校給食)、こども園で主に献立作成、栄養指導、食育などに従事。家では過敏性腸症候群(IBS)の息子と一緒に低FODMAP食事療法を実践中。忙しい時にでも簡単においしく出来るレシピが得意です。

参考文献

~IBDにおける栄養学の科学的根拠と実践法~潰瘍性大腸炎とクローン病の栄養管理  講談社

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