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【World IBD Day 企画②】IBD(潰瘍性大腸炎・クローン病) 病診連携、早期・即時対応支える信頼の鉄則 兵庫医科大学病院IBDセンター

監修者:新﨑 信一郎(兵庫医科大学 医学部 消化器内科学講座 主任教授/兵庫医科大学病院 消化管内科 診療部長)
執筆者:平山 茂樹(株式会社メディカルトリビューン メディア事業本部)

世界IBDデーに合わせた“株式会社メディカルトリビューン × グッテ共同企画”コラム、第2回をお届けします。

 兵庫医科大学病院炎症性腸疾患(IBD)センターは2009年の設立以降、内科、外科、ストーマ外来が連携し専門診療を行っている。患者の中には急激に悪化するケースがあり、早期診断や適切な治療介入、さらには寛解維持に向けた病診連携が求められる。気軽に相談できる体制が連携の鍵だと話す同センターセンター長で、同大学消化器内科学講座主任教授の新﨑信一郎氏に、病診連携の取り組みや課題などについて聞いた。

「なるべく早い時期で紹介してほしい」

日本におけるIBD専門治療の先駆けとして2009年に設立された同センターは、強固な診療体制を背景に、兵庫県内を中心に病診連携を積極的に行っている。受け入れ患者はかかりつけ医のIBD診療経験に応じ、便潜血検査陽性例から内視鏡検査による疑い例、治療抵抗性例と幅広い。外科的治療などの重篤な緊急例や難治例は近畿一円に加え、山陰、四国地方からの紹介にも対応している。

 近年、小児を含むIBD患者は全国的に増加の一途をたどっている。こうした状況を踏まえ、新﨑氏は「かかりつけ医には『IBD診療で困ったことがあれば、いつでも相談してください』と呼びかけている」と話す。今日のIBDの内科的治療はさまざまな生物学的製剤が使用できるようになり、「重症化を防ぐ観点からも、なるべく早い段階での紹介が望ましい」という。

紹介患者を1分1秒でも早く受け入れる体制を整備

 「診療に困ったらいつでも」という言葉を体現するため、同センターでは2つの取り組みを徹底している。

 1つ目は、かかりつけ医との密なコミュニケーションである。病診連携には、ある程度「顔が見える状況」づくりが必要だ。IBDは診断までの期間が長く、患者が複数の施設を渡り歩くことがある。そのため紹介状だけでは把握し切れなければ、かかりつけ医に直接確認する。逆にかかりつけ医から照会があれば丁寧に回答するなど、書面や電子メール、電話を通じて双方向の信頼関係を築いてきた。

 2つ目は、紹介患者を1分1秒でも早く受け入れる体制づくりである。緊急性が高い患者は遠方からの紹介が多いため、内科・外科のいずれにも即時対応できる院内連携システムを構築している。同センターの7~8割は難治例だが、原則として紹介元には逐次、患者の治療状況を報告している。

かかりつけ医への逆紹介については、外科的治療なら退院時、内科的治療なら寛解維持が得られたタイミングで行う。「一律とせず、逆紹介後1年程度は並行受診とするなど、かかりつけ医や患者の状況に応じて話しあうことが重要である」と新﨑氏は述べた。

メディカルスタッフの不足が課題

新﨑氏は、今年(2026年)秋の新病院棟開院以降、遠隔診療の本格運用も視野に入れている。ただし、かかりつけ医側の通信環境に加え、同センター側でも医師以外のスタッフを十分にそろえる必要がある。先述の緊急性が高い患者への対応と同様で、新﨑氏は「メディカルスタッフの確保や処遇改善といった課題をいかに解決し、持続可能な体制を構築するかが今後の課題である」と述べた。

監修者

新﨑 信一郎
兵庫医科大学 医学部 消化器内科学講座 主任教授/兵庫医科大学病院 消化管内科 診療部長

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