グッテレシピ

2024年11月29日

〜潰瘍性大腸炎・クローン病(IBD)、過敏性腸症候群(IBS)の方向け〜ヨガの種類や特徴、メリットについて解説

監修者:宮﨑 拓郎(米国登録栄養士)
執筆者:井本 かおり(管理栄養士)


こんにちは。管理栄養士のかおりです。

皆さん、ヨガをされたことはありますか?

今回のコラムではヨガの種類や特徴、メリット、潰瘍性大腸炎・クローン病(IBD)、過敏性腸症候群(IBS)の方向けの情報についてお伝えしたいと思います。

管理栄養士
かおりさん

運動が苦手な私ですが、唯一続けているのがヨガです♫お風呂の後にヨガをすることで1日の疲れをリセットしています。


ヨガとは

ヨガは、今から4500年前にインダス文明から始まり、瞑想から始まった心身の鍛錬の手段です。

ヨガという言葉は「つなぐ」の意味を持っています。ヨガは、心と体、魂が繋がっている状態のことを表します。呼吸、姿勢、瞑想を組み合わせて、心身の緊張をほぐし、心の安定とやすらぎを得るものです。

アメリカで実践されているヨガは通常、「アーサナ/体位・姿勢(ポーズ)」「プラーナーヤーマ/呼吸法」「ディアーナ/瞑想」に重点を置いています。ヨガや、2つの中国起源の訓練法である太極拳と気功は、「瞑想的運動」療法と呼ばれることもあります。3つの訓練法にはすべて、瞑想的な要素と身体的な要素の両方が含まれています。*1

主なヨガの種類と特徴 

一言に「ヨガ」といっても、負荷が高く運動量の多いものや癒しやリラックス効果を重視するものまで約30種類ほどの流派が存在します。

ご自身の体調や好みに合わせてヨガを選んでください。

下記の図*2では、たくさんあるヨガの中から4つの流派の特徴をまとめています。

ピラティスはヨガと混同されますが違いは、ヨガや他のスポーツなどを元に体系化されたエクササイズです。 

管理栄養士
かおりさん

たくさんの流派があるので興味がある方は色々調べてみてくださいね。

ヨガを行うメリット 

ヨガの健康に対する効果に関してさまざまな研究があります。多くの研究は対象となる人数が少ないため、研究の質が高いものではありませんが、その中でも下記のような研究結果が出ています。

具体的には、

  • ストレスを和らげる
  • 首や腰の痛みを和らげる
  • 更年期障害の症状を和らげる
  • 不安や抑うつ症状を和らげる
  • 禁煙を助ける
  • 肥満の人の体重を緩やかに減らす
  • 慢性疾患の人の症状を管理し、生活の質の改善を助ける

といった症状の改善に役立つという研究結果があります。*1

潰瘍性大腸炎・クローン病(IBD)の方向け

ヨガが潰瘍性大腸炎・クローン病(IBD)患者の症状とQOLを改善することは明らかになっていますが、ヨガの内容や頻度についてどの程度かといった研究は不足しています。*3

ヨガには負荷が高く運動量の多い流派やお腹に負担がかかるポーズもあります。

体を動かすことに不安がある場合は、陰ヨガなどゆったりとしたヨガから様子をみるのがよいでしょう。

管理栄養士
かおりさん

ご不明な点などは主治医の先生やヨガのインストラクターに相談してくださいね。

過敏性腸症候群(IBS)の方向け

ヨガが過敏性腸症候群(IBS)の症状を緩和する効果があることは、いくつかの研究で明らかになっています。これは、ヨガが呼吸法、ポーズ、瞑想を組み合わせて行うためだと考えられています。これにより、ストレスレベルが下がり、筋肉がリラックスして消化機能が改善され、IBSの症状が改善すると考えられています。*4

筋肉をリラックスさせ、おだやかな呼吸や瞑想ができるヨガを選ぶようにします。

まとめ

ヨガはインストラクターの元で呼吸法やポーズを身につけることで、1日数十分から自宅で気軽に行うことが出来ます。IBDやIBSなど持病のある方や妊娠中の方、高齢者の方は主治医やヨガインストラクターに相談してから始めるようにしましょう。

みなさんも今回のコラムを参考にヨガで心と体をリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。


参考文献:
  • *1 厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c02/13.html
  • *2 ヨガジャーナル ヨガの種類 https://yogajournal.jp/types
  • *3 Kaur S, D'Silva A, Shaheen AA, Raman M. Yoga in Patients With Inflammatory Bowel Disease: A Narrative Review. Crohns Colitis 360. 2022 Apr 14;4(2):otac014. doi: 10.1093/crocol/otac014.
  • *4 Schumann D, Langhorst J, Dobos G, Cramer H. Randomised clinical trial: yoga vs a low-FODMAP diet in patients with irritable bowel syndrome. Aliment Pharmacol Ther. 2018;47(2):203-11.
監修者

宮﨑 拓郎
米国登録栄養士|公衆衛士学修士

Academy of Nutrition and Dietetics (米国栄養士会)所属 Registered Dietitian (登録栄養士)。ミシガン大学日本研究センター連携研究員。アメリカミシガン大学公衆衛生学修士(栄養科学)修了。大学病院等での勤務を経て米国登録栄養士取得。同大学病院消化器内科で臨床試験コーディネーターとして低FODMAP食の研究等に従事。帰国後コロンビア大学監修クリニックなどで保険適応外栄養プログラム立ち上げ、食事指導などに従事。講談社より「潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養」などを共著にて出版。ニュートリションケアなど管理栄養士向けの執筆多数。

執筆者

井本かおり
管理栄養士|日本栄養士会食
物アレルギー分野管理栄養士

管理栄養士として、病院、行政(学校給食)、こども園で主に献立作成、栄養指導、食育などに従事。家では過敏性腸症候群(IBS)の息子と一緒に低FODMAP食事療法を実践中。忙しい時にでも簡単においしく出来るレシピが得意です。

PAGE TOP